落合避難所救護ボランティア活動報告

 2011年3月11日14時46分に起こった東日本大震災は東北地方に史上類を見ない甚大な被害をもたらしました。15,000人の尊い命が奪われ、未だに10,000人余りの方の安否がわかっていません。

我々(社)山形県接骨師会山形支部有志が避難所となった落合総合スポーツセンターへ駆けつけたのは震災から10日ほど経過した3月23日の午前中でした。落合スポーツセンターに1,000人以上の方が避難しているとの情報を得て、早速社団としてできることはないかと、取り敢えず駆けつけた次第でした。ただ、どのようにお手伝いができるのか?どこに申し込むのか?いきなり避難所に行って迷惑ではないのか等ボランティア活動を開始するのにあたり不安な面は多々ありました。

我々にとって幸運だったのは、このボランティア活動の窓口となっている山形市社会福祉協議会と面識があったことでした。山形市の高齢者福祉事業で社協が委託されている「おたっしゃげんき塾」の機能訓練事業に平成17年より接骨師会も協力させて頂いているからでした。落合スポーツセンターの窓口に伺い事情を説明したところ、ぜひご協力お願いしたいとのことで、早速、施術場所を確保して頂きその日のうちからボランティア活動を開始しました。

1,000人以上が寝起きしている体育館内にて施術を開始する旨を告知したところ短時間でたくさんの施術希望者が列をなしました。被災者の方からマットレスを、市役所の担当者からは目隠しとなる簡単なパーティションを準備してもらい、皆さんにご協力頂きながら、初日は午後2:00までの活動で34人の被災者の方を施術することができました。痛みとして訴えているのは首、肩、背中、腰が大半でした。非日常となる避難所での生活で不安とストレスを抱えながら、慣れないマットで数日間を過ごし、体全体が悲鳴を上げているようでした。いつ自宅へ帰れるかもわからない不安な生活の中、施術後に「まさか避難所で施術して頂けるとは思ってもいなかった。普段は仕事が忙しく通院する時間もないから、ここに避難してきて本当に良かった」との有難い言葉も頂きました。

総提供日数21日 総利用者数250人余り。 どこまで被災されている方の身体のケアができたのかはわかりませんが、ボランティアに協力して頂いた13人の先生方は活動内容に快く賛同して頂き、貴重な昼休みに昼食も取らず参加して頂きました。この場をお借りして心から御礼申し上げたいと思います。

今現在も山形県内へ避難されている方は福島、宮城両県で5,600人程に上っています。
被災された方が一日も早く非日常から開放され、皆さんが当たり前に営んでいる普通の生活に戻れますよう心からお祈り申し上げます。

山形支部 伊藤 義哉